インターナショナルF3とマルチメイクの終焉

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FIAが新たにインターナショナルF3を創設する意向を発表しました。事実上GP3とFIA F3(欧州F3)が合併する形での新規創設となるでしょう。おそらくはプロモーターにはFIA F2と同じくブルーノ・ミチェルが就き、FIA F3からGP3にチームが合流、F2と共にF1のサポートイベントになると思われます。

FIA、2019年に『インターナショナルF3』を創設へ。F1〜F4のピラミッド形成狙う
New single-spec F3 set to replace GP3

 

現在FIA F3の運営を担うITRのゲルハルト・ベルガーさんは以前、FIAが新たにワンメイクのF3をつくるなら、かつてのF3 Euro Series(ユーロF3)を復活させると語っていましたが、メルセデスのDTM撤退によってF3に構っている余裕などなくなったか、そのアイデアは破棄されたようです。(Berger backs down from rival F3 series plan

これにより、とうとう”マルチメイク”という70年近く続いてきたF3の伝統が途絶えることになりました。インターナショナルF3(”インターF3”と聞くと、90〜93年に開催された富士インターF3を思い出しますね(古!))はシャシー&エンジンともGP3同様のワンメイク。一応、同時に発表されたリージョナルF3(地域F3、現F3 Lite Series)では、FIA-F4と同じく各国でそれぞれシャシー&エンジンを選定できますが、それでもワンメイクには変わりありません。

これまでF3はシリーズによってレベルの差、クルマの新旧の違いこそあれ、全てF3というフォーミュラカーでは唯一の世界共通規定の中で、明確なヒエラルキーなく行われてきました。やろうと思えば同じシャシー&エンジンで、全日本でも英国でもドイツでも参戦可能だったわけです。今のFIA-GT3に似てますね。

しかし今後はインターF3という絶対的上位者が君臨し、リージョナルF3は「F4以上インターF3以下の性能でさえあれば、どんなクルマでもええわ」という、明白な下位カテゴリーとして位置付けられるわけです。おまけに国別ワンメイクなので、採用しているシャシー&エンジンの異なるシリーズへの参戦は不可能です。FIAのなりふり構わぬ権力強化策にも見え、伝統のある全日本F3を抱える国としては、はっきり言って気持ちの良いものではありません。

現在F3 Lite Seriesとして認定を受けているのはBRDC F3(英国F3、タトゥース+コスワース)のみ。リージョナルF3は国際レースであるFIA F3と、国内シリーズであるFIA-F4のレベル差を埋めるために生み出されたものですが、そこには現在Fルノー2.0が存在しており、FIAによるFルノー潰しにも見えます。”3.5”の次は”2.0”というわけです。

個人的にはインターF3はGP3の代替シリーズなのでワンメイクでも仕方ないにしても、リージョナルF3まで国別ワンメイクにする理由がわかりません。欧州にはメルセデスとVWがいても、全日本にはトムス・トヨタや戸田、スリーボンドがいても何の問題もないと思うのですが……。

 

全日本の選択は?

さて、では全日本F3はどうなるのか?

とりあえず2020年頃までは現行規定のままという噂です。FIA F3以外で唯一、現行シャシーを使用していたり、真っ先にFIAが提示した新エンジン規定に対応したりといった”貢献”が一応は認められた形でしょうか?

ただそれもあくまで猶予期間という感は拭えず、インターF3の下位シリーズ化を受け入れるのか、独自規定で続けるかの選択を迫られることになりそうです(その場合、”F3”は名乗れないでしょう)。

リージョナル化の場合はおそらくFIA-F4同様、シャシーは童夢、エンジンはトムス・トヨタになるかと思われますが、戸田やスリーボンドがトヨタエンジンで走る姿はあまり想像できないですね。逆に無限ホンダが選ばれたとしても、”トムス・無限”なんて考えられません。FIA-F4ではHFDPドライバーもトヨタエンジンで走ってますけど、F4のチームにはあまりそういうしがらみがないですからね。

その他に、独自規定で行われているシリーズにはEuroformula Open(旧スペインF3、F312+旧式トヨタ)がありますが、こちらは過去にFIAとF3の名称使用を巡って揉めた経緯もあり、リージョナル化はせず現状維持のようです。

またインターF3が絶対的上位となると、マカオGPのフォーマットがどうなるかも気になるところです。インターF3のクルマを使用し、インターF3のドライバー&チームに、リージョナルF3の上位選手が加わる形でしょうか? それとも1983年から続いてきたF3世界一決定戦という看板自体を降ろすことになるのでしょうか? いっそF2以下の全ジュニアカテゴリーから、トップランカーが集まるレースというのも面白いかもしれません。

 

 

F3はかつてのイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、日本が”5大F3″と呼ばれ、年に一度マカオで世界一を決めていた頃が、最も健全だったように思います。もうそんな形は不可能なのですかね。。。。

それにしても”インターナショナル”というと、消滅した国際F3000を思い出してしまいます。ここ数年、WECやF2、インターナショナルといった名が次々と復活しているのを見ると、FIAは懐古趣味なのかと思えてきます。そのうちF3000も復活するかもしれませんね(笑)

 

original:https://gpxlab.net/2017/10/international-f3-end-of-multi-spec-competition-era/